心に響く名刺、残らない紙切れ
2008年5月24日(土)10時0分配信 日刊ゲンダイ
サラリーマンにとって名刺は“分身”だ。小さな紙切れ一枚が有効な営業ツールになる。最近はプライベートの名刺を作り、2枚セットで差し出す人も増えているという。「成功する名刺デザイン」の共著者、グラフィックデザイナーの長友啓典氏と、ノンフィクション作家の野地秩嘉氏に“極意”を聞いた――。
●目的別に分けてこそ力を発揮する――
野地「オールマイティーな名刺は存在しない。目的別に使い分けてこそ力を発揮します」
大阪のあるラジオ局では、社員に数パターンの名刺を支給。TPO別に使い分けている。
長友「万能薬と呼ばれるクスリは効き目がないのと同じ。名刺は『広告』です。何をセールスしたいのか、明確な目的意識が必要です」
たとえば、売り出し中のベンチャー企業なら社名を、昇進の挨拶なら役職名を目立つようにする。肩書などの情報をただ羅列しているだけではダメだ。アナタの会社の名刺はどうか?
プライベートの2枚目を作るにしても、情報過多の社会ではオリジナリティーを出す必要がある。そのためには、サラリーマンは発注する力、「発注力」が問われるという。
野地「そもそも仕事は発注の連続です。先方に意思を伝えて交渉する発注力を鍛えるためにも、まず、名刺から始める」
自分の意に沿う名刺に仕上がらなかったら、発注力不足だ。
長友「名刺のデザインは発注者の人格や考え方で8割は決まります。それをできるだけシンプルに表現する。凝りまくったデザインでねじ伏せるような名刺は心に響かないでしょう」
写真や似顔絵付きの名刺も多い。裏面には愛称や趣味、座右の銘などが書き添えてあったり。通常より大きめのもままある。
野地「大抵、恥ずかしそうに差し出されるのですが、『本人が恥ずかしがるような名刺を持たせるのか』と、上司に言いたくなります」
これでは逆効果だ。エコロジーマークとかステッカーを張ったり、余分な装飾も多い。
長友「本当にエコに興味があるのだったら、手書きで付け加えたほうがいい。色付きのマーカーやペンで線を引くだけでも目立ちます」
これなら会社支給の名刺でもできる。
●「両A面」という考え方
野地氏が長友氏に「儲かる名刺」とオーダーしたのが長友氏と同じ、薄いクリーム色のマットな紙でできている。
長友「人肌感やぬくもりを出すには、真っ白でツルツルな光沢紙よりマットな質感だと思ったんですよ」
とはいえ、まっとうな商売をしている人にピンクとか紫などの色付きの名刺は似合わない。
長友「野地さんは特徴のある名前で印象に残る。だから名前のみの一面。画数も多くて字面も安定しているから、生かさない手はありません」
長友氏は、名刺の表裏をはっきりと分けるのを嫌うそうだ。
野地「住所や電話番号は逆面ですが、どちらが表面か分からない。『両A面』という考え方です」
サラリーマンが会社の名刺をどうこうするのは難しいだろうが、プライベートのを作るときに使えるテクだ。
●「発注力」がない典型……
恐る恐る記者の名刺を見てもらったら、「発注力のない名刺の典型」と酷評されてしまった。
長友「何の印象も残らない。どんな風貌(ふうぼう)だったとか、忘れないよう余白に書いたりしなければアカンです。日刊ゲンダイという媒体を目立たせたいのなら、オレンジ色のロゴを活用する。インパクトがあり定着しているから、社名より小さくあしらう程度で十分です」
◆心に響く一枚
・シンプルなデザイン
・手書きの文字やラインで“決め打ち”
・名前の字面を生かす
・表と裏が両A面
・会社のロゴをポイント遣いする
◆残らない一枚
・情報が多すぎて整理されていない
・凝りまくったデザイン
・顔写真やイラスト入り
・通常より大きめサイズ
・ピンクや紫などの色付きの紙
【2008年5月21日掲載】
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名刺って会社からもらったのをそのままにしていますが、仕事上重要な人しかきちんと管理していません。自分の名刺も他の人からどう思われているのだろうか?プライベートな名刺を作ろうかと、実は考えていたので、この記事を参考にしようと思います。

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